テーブルマウンテンへ
バッチ博士の軌跡
エドワード・バッチは1928年9月、のちにバッチフラワーと呼ばれることになる植物のまずは3種類、インパチエンス、ミムラス、クレマチスを、アバガベニ―とクリックハウエルの間を流れるアスク川のほとりで見つけました。当時、バッチ博士は、すでにバッチの七大ノソードと呼ばれる経口ワクチンを発見、その効果は絶大で、彼の名はイギリス国内だけでなく、アメリカをはじめ海外にまで轟き、彼の研究所には世界中の医師から標本が送られていたようです。けれどバッチ博士は、七大バクテリアに代る野草を見つけたいと考えていました。ウェールズヘの旅は、人々の健康を願うバッチにとって、やむにやまれる思いに駆り立てられたものだったのです。
今回のウェールズの旅は、バッチゆかりのアスク川周辺を歩くこと、もちろんレメディの植物と出会いたい期待はあるものの、事前の準備も中途半端でちょっと衝動的でした。どこへ行こうかと、クリックハウエルのインフォメーションに入ると、案内の女性は興味津々で何人か?と聞いてきます。日本人だというと、急に目を輝かせてここに始めてきた日本人だと言われ(そんなはずはない、と思いながらも)記念にノートに日本語で名前を書いてきました。
その彼女のおすすめはテーブルマウンテン。ここなら軽装備でも大丈夫、道には植物がたくさんあってラブリーとのこと。バッチはこの周辺でヘザーとロックウォーターも見つけています。それはひょっとすると、テーブルマウンテン辺りだったかも!? と、その気になって、1ポンドで地図を買うと、勇ましく歩きはじめました。フットパスの道しるべ、清らかな流れ、牧場、あちこちの花を眺めながら最初は調子よかったのですが、草が覆い繁って道はなくなる、前が見えないほどの植物で、これ、本当に道?これで大丈夫?と不安になりながら、坂道を登ること1時間。やっと広々とした草原に出た時には、心底ほっとしました。汗びっしょり。ふ~こわかった・・・
振りむけば、眼下にはクリックハウエルの町。思わず歓声をあげました。吹き抜ける風が気持ちいい!!
アスク川へ降りていく道で見つけたクレマチス。「おじいさんのあごひげ」と呼ばれるとおり、花が終わった後に出てくる種子の綿毛部分
FOOTPATH TO TABLE MOUNTAIN と書かれた標識。この矢印に従って歩いたのですが・・・
右端の大きな木はワイルドローズ。沢山花をつけていました。こんな大きなワイルドローズの木は初めてです
ワイルドローズの木の脇に小さな石段があり、それを乗り越えると草原に出ます。さやさやと風に揺れる草、バターカップの黄色い花、秋の終わりには、アグリモニーやヘザーも咲くことでしょう。ところどころにある大きな木はオーク。
それにしても、もうヒルトップだと思っていたのに、テーブルマウンテンの頂上は、まだまだ先(涙)