二度あることは三度ある。 ほんとう!?
恥ずかしいけど、またしても来てしまいました。
今度は娘と「茅野」駅で待ち合わせ。この駅に来たのはいつのことか。数十年前、当時は小さな駅だったのに、今では文化施設も併設されたすっきりした駅舎になっていて、時の経過を実感。驚いたのは風景が違ったこと。当たり前?ここから八ヶ岳が見えるってしらなかった!
くねくねとヴィーナスラインを昇りながら、あれこれ話していると、お互いの記憶の在処が全く違っているのが明らかになってきます。36歳違いの母娘。風景が同じに見えるわけはありません。子らの幼い日を懐かしむばかりの私に比べ、末子の娘はまだ赤ちゃん、写真を通しての記憶しかなく、逆に大人になってからの友人たちとの記憶の方が強烈らしい。母のノスタルジーはあえなく打ち砕かれることとなりました。前回は紅葉真っ盛りだった蓼科湖も初冬の黄昏はひっそりと。茂っていた時には気づかなかったヤドリギがぽつんと浮かんでいました。
蓼科湖の畔、葉を落とした桜にヤドリギ
案内された部屋はひと月前より大きな部屋。(前回は一人でしたからね)部屋に続く廊下の壁には天皇陛下御一家をはじめ、皇族方ご滞在の写真が並んでいました。そうそう、この部屋です。友人と10年前に泊まったのは。出窓の下にベンチがついて、窓からはハイジの庭が見下ろせます。この風景、最高! 室内は木のぬくもり、大げさでない上品なしつらえが、とても居心地がいい。
洗面所のシンクは二つもあるのに、この部屋のサイズにしてはベッドは小さめ。極め付きはチェストの中に収められて外から見えなくなっているTV。日本のホテルでは部屋のサイズに関係なく、大きなTVモニターが据えられていることがほとんどなのに、どおりですっきり。
何と、当夜の宿泊客は私たちだけだったのです。
これはまさしく貸し切り・・・いいの?
落葉に覆われた露天風呂への小道
冬木立に囲まれた露天風呂では
鳥の声、渓を流れる川音が響き渡っていました。
シェフお任せのフレンチディナーのオードヴル、自家製生ハムと大王イワナ、添えられた色とりどりのメレンゲが可愛い
10月の初めと終わり、そして11月の終わり、この秋、合計3度も訪ねることとなった御射鹿池。こんなきれいな青い空はないというほど美しく晴れた今日の朝、冬ざれていく風景には、きりりとした美しさと寂寥があり、水面に映る太陽の輝きになぜかしら胸が熱くなります。ひと月前とは打って変わってひっそりとして、訪れる人もまばら。
東山魁夷の絵「緑響く」のような深い緑と出会うには、これから半年ほど待たねばなりません。次にここに来るのはいつかしら。
山々よ、木々よ、さぁ、お眠りなさい。